松嶋×町山 未公開映画祭 クリップ

ジェームス・スカーロックが監督したドキュメンタリー映画『Maxed Out(マックス・アウト*)』は、クレジットカード漬けになっているアメリカ人の借金の実態と金融業界の真の姿に迫り、貧しき者がさらに貧しく、富める者がさらに豊かになる仕組みを解き明かした映画だ。
 アメリカでは1世帯あたり平均9,000ドル以上のカード負債があり、この金利だけで年間1,300ドルを支払っている。クレジットカードの手数料は5年間で160%増加する中、カード会社は年間40億通のDMを発送しているのだ。
 80年代、カードの利用限度額超過と延滞料は15ドルだったが、現在は両方で86ドル。それに金利も21.9%から28.9%に上昇しているから、カード会社はお客に最大限使ってもらい、できるだけ支払いを延ばすことを望んでいるのだ。
 ハーバード法律大学院のウォーレン教授は「カード会社の理想のお客は、借金が雪だるま式に増えて経済的な困難に直面している人たちだ」と述べる。
 映画ではカード借金に押しつぶされ、自殺した二人の大学生についても紹介している。また、自殺した大学生や何年も寝たきりの女性にクレジットカードのDMが届いており、大学のキャンパスでも親の承諾なしでカードを取得できると、学生に申請を促している実態をみせる。 
*マックス・アウトとは、クレジットカードを限度額まで使い切ること。

⇒サブプライムローン(信用度の低い借り手への住宅ローン)で、家を購入している人たちの多くはすでに「マックスアウト」状態です。当座しのぎでカードも使えませんから、速攻で差し押さえなんです。

 「おっ、円高でだいぶ得したな」。クレジットカードで使った額を見たお父さんはにんまり。アメリカ出張のおみやげの分らしい。「輸入品も円高還元(かんげん)セールで安くなるわ」とお母さん。円高っていいことずくめみたいなのに、ニュースは「早く円高対策を」と言うし、日銀の白川方明総裁は「適切な対応をする」って。円高っていいの、悪いの。

クレジットカード債務に悩んでいるアメリカ人は、とても多い。カードの支払いで債務不履行になってしまうと、クレジットスコアが下がるだけでなく、自己破産になることもある。Y Combinatorが支えるReadyForZeroは、一般消費者がカード債務から抜け出す手助けをする、Webベースの分かりやすいサイトとして、今日(米国時間9/1)立ち上がる。

このサイトはユーザにまず、保有するカードの種類や債務残など、クレジットカードの情報を尋ねる。そのほか、財務アドバイザーが尋ねるような一般的な家計情報も聞いていく。毎月の義務的支払いの額、サラリー、預金残高、などなど。それらの情報をもとにReadyForZeroは、何をいつ払うかといった、返済の最適計画を作成する。さらにその後は、支払い期日近くになるとお知らせのメールを送る。またWeb上でユーザは、自分の債務脱却大作戦の進捗状況を、視覚的に見られる。今後は、ユーザがまずReadyForZeroに送金をして、同社が支払いを代行するようにしたい、と同社は言っている。

ReadyForZeroは債務の清算で悩んでいる消費者が対象で、すでに取り立てにあっている人や自己破産者を救うわけではない。このサイトの第一目標は、債務の翌月への繰り越しをなくすことだ。同社によると、合衆国だけでもカード債務翌月繰り越しの悪循環に陥っている人が1億人いる。 それらの債務総額は、9000億ドル(約77兆円)である。

将来的にこのサイトは、クレジットスコアのような補助的情報をユーザから求めたり、また一時的な貸し付けも構想している。収益源は、消費者にとってより有利なカード(利子が低い、など)を紹介することによる、カード会社からのキックバックだ。

銀行やカード会社も、このような相談サービスを提供しているが、ReadyForZeroがねらうのは、債務をコントロールできるための、もっと具体的で手取り足取りの指導を、Webから提供することだ。指導は、電話やライブのチャットも利用して行う。消費者がカードの上手で計画的な利用方法を知りたがっていることは事実だから、 ユーザとの直接の対話を重視するReadyForZeroを、砂漠で見つけたオアシスのように感じる人も少なくないだろう。

カード社会アメリカの笑えない借金地獄ぶり

『マックスト・アウト Maxed Out』。タイトルは「限度額の上限まで借金した状態」という意味。サラ金用語でいえば、「天井張り付き」「借金で首が回らない」ってやつ。アメリカの借金地獄をルポした映画だ。